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畑のいきもの

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    畑に行こう 畑を見よう 畑に生きよう!

白山 Mont Blanc

  • Title 無事帰還
    2009.09.20-09.21 石川県白山市白峰に第15期緑のふるさと協力隊OBOG6名が集結し、白山登山敢行。 真っ青な空、紅葉の始まった山肌、冷たい空気、可憐な高山植物、疲れた体を照らす夕陽、流星輝く夜空、そして御来光。 すべてが完璧に、今回の旅を彩ってくれました。 とちもち、ごちそうさまでした。

そら

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    空のきれいなまち。 あしたも晴れるかな。

鴨川

  • 終わってしまった
    2007年3月 千葉県鴨川市の棚田倶楽部棚田保存活動に参加 川代地区の棚田で米作りに挑戦 9月の収穫までを追いました!

稲刈

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    稲刈り初体験。
August 2015
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じじねこのまたたび

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季節過ぎゆく中で

 田舎は山や緑や田畑や水風景の中でゆっくりと時間が過ぎて、そこに暮らす人々はちょっと不便だけれども、支え、支えられ、知恵と創造性に富んだ豊かな日々を送っている。派遣前の農村のイメージ。そんな農村でやってみたかったこと。知恵と創造性のある暮らし。そして、友達百人つくること。

 石臼や鍬や藁縄。現実には電動石臼や粉ひき機、管理機やナイロンロープ。手作業で行っていたであろう作業は機械化され、自ら作っていたであろう資材は大量生産され近所の商店で売っている。餅つきでさえ多くの家庭で機械化されているのは驚いた。しかし、機械化はされていても、暮れには餅をついて鏡餅を作ったりしている。少し形は変わったけれど、昔ながらの時間というか伝統は残っていた。実家や東京ではできなかった営みを、ここで体験することができた。これからは体験に留めず、自分の生活の一部にしていきたい。

 農村の時間はゆっくりとは流れていなかった。都会と同じ。皆それぞれの仕事に追われ季節はあっという間に過ぎ去っていく。自分も速い流れに流されてしまったが、周りの人が気にも留めない風景に時々吸い寄せられた。写真を通して一部を記録できた。これを、あわらの人に見てもらいたい。何気なく行き過ぎてしまう風景が、素晴らしい色や輝きを持っていること。初めて会う人に、「あわらはどう?」と良く聞かれた。この質問はこの土地に対する誇りと自信の現れだと思う。恐らく悪いイメージの回答はないだろう。自分がこう聞かれたとき、青空とか広い丘陵地の畑だとか美しい絵は浮かんできても、悪いイメージは湧いてこない。みんな素晴らしさには気付いている。その素晴らしさを共有したくて投げかける質問なのではないだろうか。きっとみんなが気付いていて共通の思いなのだけれど、「素晴らしさ」をどう表現するのか分からないのだ。

 初期の活動は専ら農作業。最初のうちは畑で見るもの全てが新鮮で、植えた苗がスクスクと育つのが楽しかった。しかし、農業初心者のおんちゃんと2人で黙々とする作業に不平不満が募る。自分はアルバイトでここに来たのではない。農業を学びに来たのでもない。人と交流し、農作業だけではない農村生活を体験しに来たのだ。かと言って、与えられた仕事から逃げることは避けたかった。ひと月以上も葛藤の中で過ごした。役所の担当者や一緒に作業しているおんちゃんとも何度か話し、理解してもらい、もっと広い範囲で活動できるようになる。畑を飛び出したは良いけれど、それまでほとんど交流が無く行く当ても無かった。予定表が空欄になるのが怖くて、空いている時間は紹介していただいた一件の農家さんに入り浸るようになる。次第に交流の輪が広がり予定表も埋まってくる。そんな時にその農家さんから手伝いの要望があっても、断らざるを得なかった。通い始めの頃は「助かった」と言われることが嬉しくて、自分が行けば農家さんも少しは楽になると勘違いするようになった。実際は自分の行きたいときにだけ来る都合のいいヤツだった。その農家さんにはかなりの負担になってしまい連絡が途絶えてしまった。悪い話だけではなくそれ以上の関係の広がりを得ることができた。私の「今日の出来事」を親身に聞いてくれたり時々弁当を作ってくれるお母ちゃん、山菜採りや釣りや旅行に連れて行ってくれるお父ちゃん。いつでも元気な笑顔と美味しい料理で励ましてくれる姉貴。何でも相談に乗ってくれて話の合う友人。年齢も職業もみんなバラバラ。農業研修や短期ボランティアでは得ることの難しいものだと思う。

 あわらに来て、人に限らず多くのものに出会った。風景、文化、特産品などなど。多くはどこにでも有りそうなもの。だけど違う。あわら産のスイカは暑い最中の農作業の合間に、農家さん達と世間話したり丘陵地の風景を眺めながら食べるのが最高にうまい。市場に出されて、どこかのスーパーに並んでしまえばスイカはスイカ。冷やされようが食べ易いように切ってあろうが、丘の上でかぶりつくスイカに勝るものはない。あわらでしか体験できないことをたくさん体験できた。それが最高に幸せ。
 この一年色々な出来事があって何度か挫けそうになった。その度に人の優しさに触れ自然風景に癒され乗り越えることができた。自分自身は一年前と何も変わっていないし、強くもなっていない。将来のこともまだ道筋は見えていない。今、働ける環境があって、受け入れてくれる人がいて、ここでできることから始めたい。まだもやもやしたものも抱えてはいるけれど、あわらでのたくさんの出会いを通して思うこと。協力隊に参加し、あわらに来たこと。これは掛け替えのないこと。

「総括レポート」(2009.03.12) より全文